「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、2030年に向けた中長期経営戦略を実践する資生堂。多彩な国籍の社員が自らの言葉で伝え合い、理解し合うことを目的に2018年より社内の公用語を英語としている。ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)が進み、海外との連携が重要度を増す中、2023年からサプライネットワーク部門での採用試験の中に「Versant」を組み入れた。
新卒採用にVersantを活用
グローバル人財選考に公平なものさしを
活用内容
様々な部署でDE&Iが進む中、一部の部門で英語力を備えたグローバル人財の獲得意向が強まり、2023年の新卒採用の試験から「Versant」を採用した。書類選考を通過したすべての学生が通知後1週間以内に「Versant」を受験して一次面接に臨む。2024年の選考では、「Versant」導入部門をさらに拡大している
目的
- DE&Iが進むサプライネットワーク部門で英語力やコミュニケーション力を備えた人財の獲得
- 新卒採用試験で学生たちの今の英語力を公平に測定する
- 入社前に英語力の必要性に気付いてもらう
課題
- 従来のテストでは試験対策ができてしまい、ビジネスシーンで用いるようなより実践的な英語運用力が測れるテストを必要としていた
- 従来のテストは手配や受験、結果確認などに時間がかかり、選考プロセスに組み込みづらかった
グローバルを目指す学生たちの
英語力を測る
「この人は英語ができる」という表現をよく使いますが、
それは話す力なのか語彙力なのか判然としません。
「Versant」のスコアや結果分析はそれが
リアルに分かります。(大石氏)
「この人は英語ができる」という
表現をよく使いますが、それは
話す力なのか語彙力なのか判然と
しません。「Versant」の
スコアや結果分析はそれが
リアルに分かります。(大石氏)
新卒採用で「Versant」を組み入れた背景とその活用について教えてください。
福田 資生堂は、現在推進中の中長期経営戦略で「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニーを目指す」という目標を掲げており、グローバルに活躍できる人財を広く求めています。グローバル人財には様々な能力が求められますが、一部の部門からバイリンガル能力(英語・日本語)の要望が強まり、新卒採用の選考で「Versant」を取り入れました。様々な英語テストのなかで、①英語の会話力やスピーキングが測れる②学生たちが手軽に受験できる③詳細な結果分析ができる、という3つの要素を評価したことが採用の主な理由です。
内藤 様々なテストのパイロット版などを試しながら、実際のビジネスシーンや日常会話での英語能力が把握できるテストを検討する中、「Versant」の受験経験を持つ上司がその導入を推薦しました。私も実際にサンプルを試して、リアルなスピーキング力を測るテストだと実感しました。スコアは選考基準の1つで、コミュニケーション力や資生堂で活躍できる素養など、総合的な視点で採用を決めていますが、「Versant」を受験した学生たちは仕事での英語力の必要性を痛感するようで、合格してから入社までの期間にトレーニングに励む人が多かったのが想定外の効果でした。
大石 現時点の英語運用力を知りたいのですが、なかなか真の実力を知ることが難しくなっています。英語面接ではあらかじめ回答例を用意できますし、著名な英語テストも様々な対策が浸透しています。「この人は英語ができる」という表現をよく使いますが、それは話す力なのか語彙力なのか判然としません。「Versant」のスコアや結果分析はそれがリアルに分かります。試験対策ができないので、公平な結果として選考に利用することができます。



DE&Iが社内言語の英語化を
浸透させていく
「Versant」のスコアや結果の詳細な分析は、
個々の英語スキルの強み・弱みの把握や学生への
フィードバックの参考にもなると考えています。
(福田氏)
「Versant」のスコアや結果の
詳細な分析は、個々の英語スキルの
強み・弱みの把握や学生への
フィードバックの参考にも
なると考えています。(福田氏)
資生堂は2018年より社内公用語を英語とし、DE&Iも進んでいます。実際の仕事で英語はどのくらい使われているのでしょうか。
大石 英語を使用する場面で圧倒的に多いのは公式な会議です。資料などは英語と日本語を併記していますが、基本的に発言は英語です。2017年より外国籍の社員の割合が増え始め、海外とつながる部署では英語でのコミュニケーションが主流になってきています。DE&Iが浸透していくなかで様々な部署の担当役員も外国籍の割合が増えていますので、英語の使用頻度も必然的に増えます。
内藤 日本向けの商品を担当する部署など英語を使用する機会の少ない部署もありますが、実際にはすでに外国籍の社員の割合が多い部署もあり、その傾向は全社的に広がっています。「Versant」を受験した学生たちから「どのレベルの英語力が必要か」と質問を受けることがありますが、語学は日々の鍛錬なので入社後にグンと向上する人も多くいることを伝えています。また、応募者の学生や中途採用候補の人々の多くがグローバル展開の事業に貢献することを望んでいるのも最近の傾向です。
福田 そうした流れを受け、採用試験で「Versant」を取り入れる部門も拡大しています。

世界で活躍するための
コミュニケーション力
多彩なバックグラウンドを持つ人々が混ざり合い、
イノベーションを創出するために、
「Versant」の活用方法も
さらに検討していければいいですね。(内藤氏)
多彩なバックグラウンドを持つ人々
が混ざり合い、イノベーションを
創出するために、「Versant」の
活用方法もさらに検討していければ
いいですね。(内藤氏)
最後に、「Versant」を用いた採用の効果や今後の期待感についてお聞かせください。
福田 当社の採用試験で「Versant」を受験した人々がちょうど入社し働き始めています。テスト内容が難しかったという声は多かったのですが、このレベルの実力を求められているのだと感じた人が、その後に英語トレーニングなどを積んでから入社しているのはとても良い効果だと喜んでいます。実際に内定を得てから海外に英語学習の短期留学を決めた学生もいます。「Versant」を1つの起爆剤として、グローバルでの活躍を夢見る学生たちを世界の舞台に導いていきたいと考えています。
内藤 資生堂には150年の歴史があり、その中で様々な文化をつくってきました。DE&Iにさらに注力していくいま、英語はお互いの考えや意見を伝え合う大切なツールです。多彩なバックグラウンドを持つ人々が混ざり合い、イノベーションを創出するために、「Versant」の活用方法もさらに検討していければいいですね。
大石 資生堂は世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニーを目指して様々な挑戦を続けています。だからこそ、新たに入社する人々に求めたい素養が3つあります。1つは自分が果たしたい夢への思いの強さ。2つ目はそれを行動に移す熱量。3つ目はグローバルに通用するコミュニケーション力、つまり英語です。コミュニケーション力こそがすべての道を開くカギであり、それを磨き続けることで夢に近づくことができます。「Versant」の刺激が彼らにそのことを気付かせてくれることを期待しています。
(※掲載情報は取材当時のものです)